|
|
「盗む」というとぶっそうな表現ですが 要は他の方々の居合の様を参考にして上達を図ろうって感じでしょうか。がむしゃらに稽古に励みますと 体も適度に疲労し汗もかき 充実感もいいものです しかし業の上達につながったかというと 場合によってはその一生懸命さがアダとなり変な癖がついてしまいそうです 一通り体を動かし 自分の目指す動きに体がなじんできましたら 次のステップへ向け 先生方や周りの方々に目を配り 聞き耳をたて 業を盗んでいきましょう 以下は私が二段から四段ぐらいにやっていたことですが 1、タイミングを盗もう 連盟居合や古流の動きを教わり稽古に励みますと そつなく動こうとして「敵対動作」としては単調になり「武道」ではなくなってしまいそうです そんなとき先生方の稽古を拝見し「静の間」を吸収しましょう 始めは手でリズムをとりながら「抜きつけ→斬り付け」「斬り付け→血振り」「血振り→納刀」「納刀→つばに親指をかける」他 各動作へ変化するまでの「間」を確認してみましょう 「半拍子 2拍子半 1拍子 1拍子半だな・・・」 ある程度慣れてきましたら 上手い人が稽古を始めたら一緒のタイミングでやって見ましょう 以外にたっぷりと残心をとっているかも知れません 2、「緩急強弱」を盗もう 各々業の動きも体になじみ 残心にも気を配れるようになりましたが どうも動きが硬い ギクシャク感が気になる そんなときは「動作の速さの変化」を吸収しましょう 「業の起こり」を悟られることは武道としては致命的です 力の抜き様を中心に確認です 静かな状態からの加速する様 キメのタイミング 剣先がどの位置で刃鳴りがおきているのか 肩の上下 腰の向きに注目してみますと 業の「キメ」と「力み」を混同していたり 刀の重さを上半身だけでどうにかしようとして 体全体がゆがんだ動きになっていたりと 「バランス」についていろいろわかりそうです 3、とにかく盗め 先生が他人に指導しているときにそれを聞き習得しよう 昔 飲み会の時 「各人に教えていることはみんなに聞いてもらいたい所でもある」とおっしゃっていました 先生が誰かを教えているときは 隣に近づき一緒に教えてもらうぐらいでもいいかもしれません 4、質問をしよう 所作の正誤なら質問しやすいのですが どう質問していいのかわからないものです でもつまらないかなーと思う 疑問の投げかけでも 先生やみんなとのやりとりの中で思わぬ極意に説明が及ぶことがあります 「心の引き出しを揺さぶれ」の気持ちで 問答を繰り返し 各々が工夫された「何か」を聞き出しちゃいましょう 5.講習会に参加しましょう 所属する都道府県の連盟でも定期的に講習会が開かれてますが 近年 大会等では試合と共に講習会もあります 講師の先生によって温度差はありますが いつもと違う切り口で惜しげもなく色々教えてくれますので とにかく吸収してみましょう 何言ってるかわからなかったときは とりあえず持ち帰り みんなで研究して見ましょう ある程度 居合の業もスムーズに繰り出せるようになりますと 上達の実感が無くなってきます しかし先生方が持つ風格 凄みを 我が物にしようとすると難しいものです「気迫をこめろ」「気攻めを」といわれても 力みが入るばかりで悩ましい限りです 上記のことも正しい方法とは思いませんが貪欲に業を観て 言う事を考察し 悩みませんと稽古で答えは見えてくることはなさそうです 「教わったことをマスターする(実際はしたつもりになる)」だけでは中身が薄くなるかもしれません 自分自身で試行錯誤とその実践によっていい感じになりそうです「教わったことを素直にやっているのか」そんな気持ちになれれば業の盗み方も楽しくなりそうです 当時 私の場合「気攻め」を実践しようとして抜きつけ 斬り付けをガンガンやっていましたが 上手くいきませんでした 「静の間」「残心」に重きを置いたとき 答えが見えそうになりました 趣味とはいってもせっかくですから 奥深く 習得することが面白くなるのもいい気持ちです 皆様の中にも 仕事以外で一生懸命に熱くなるものが欲しい方もいらっしゃると思います その候補の1つに「居合道」を考えてみてはいかがでしょうか 居合道は年齢に関係なく 永年にわたり楽しめます「桐生居合道同好会」ではそんな皆様のご参加をお待ちしております。 |
|